相談例
『ひとりで暮らしているが、今のところ誰にも世話にならずに生活できています。でも、将来のことは少し不安。たとえば、自分で思うように手続きができなくなった場合に施設の入所や費用の支払いはどうしたらいいのか?』
この方の場合、成年後見制度の中の任意後見制度の利用が考えられます。まだしっかりと自分で判断ができるうちに、自分の判断能力が衰えてきた時に備えて、あらかじめ支援者(任意後見人)を誰にするか、将来の財産管理や身の回りのことについてその人に何を支援してもらうか、自分で決めておくことができる仕組みです。
今は大丈夫だけれども、老化や認知症、脳梗塞といった病気、突発的な事故で脳に損傷を受けてしまったり…。判断能力が十分に発揮できなくなってしまうことは誰にでもありうることです。
「任意後見制度」は、そのような場合に備えて、「誰に」「どんなことを頼むか」「自分で決めておく」ことで、将来にわたって自分の希望する暮らし方を実現させる方法のひとつです。制度の利用は選択肢の一つですが、元気なうちから身近な方と万一の時に備えた話をしておくことも大切ですね。